下北沢な人々 - VALON 無量井 大介 -

下北沢な人々 - VALON 無量井 大介 -
 今回は下北沢北口の東洋百貨店内に古着屋VALONを経営している無量井さんに話を伺いました。アメーバブログでも大人気の無量井さんのプロフィールを下北沢映画祭のことを交えながら伺っています。
VALON 無量井 大介
生年月日 :1980 11 18
血液型   :A
出  身  :鹿児島市
趣  味  :古着
好きな本  :失はれる物語
好きな映画 :パーフェクト・ワールド


 


- VALONとはどのようなお店でしょうか?


古着や雑貨を扱ってます。年代は古い物だと100年以上前のもの~現在の服まで。アメカジを基本としてますが服のジャンルや年代に当てはめず、老若男女関係なく皆が楽しめるような店にしたい。そんな思いから色々なジャンルの揃えてカワイイ服、カッコいい服を揃えています。

やるからには全力でしたい、下北沢の古着屋をビックリさせるお店にしたい、路面店でなくてもやり方次第で。ちょっとしたセールやイベントなどを随時企画したりしています。
下北沢は人の流れが多い分、自分の店を知ってもらうチャンスは沢山あります。古着に興味無い方でも雑貨やアクセサリーもあるので少し足を止めていただけると嬉しいです。


 


-古着はどのように集めているのでしょうか?


今の商品のほとんどが鹿児島に居る時から私物として収集してた物で将来の為に買い集めてました。以前アメリカに行って買ってきたのも合わせたら実家に60箱くらいあったんです。それをちょこちょこ出してました。今後はアメリカに行って(次回は11月)ディーラー見つけたり、スリフトで買ったり、現地のフリマに行ったりして集めてきます。


- どんな人にVALONに来て欲しいですか?


どんな人でも来てくれたら嬉しいです。古着は元々、人が一度は着た服がほとんどですから、そういうのに多少の抵抗があると思います。そしてファッションとして着こなしが難しいと思われている古着のイメージ。それをもっと手軽に、ファッション面でも身近に関して頂きたい…という気持ちで、今古着が好きな人や古着マニアの方は勿論、古着に興味を持ち始めた若い方々にもお店で直接触れて欲しいです。
古着はエコだと思います。もっと需要のある世の中になれば自然にも経済的にも優しい時代になると思います。



- レディースの場所も女性が入ってとりやすいところにあって、内装が雑貨屋さんにも見えるので、入りやすいですもんね。

そうですね、気軽に入りやすいお店にしたいという気持ちは非常に強くあります。古着というだけで見ていただけない時もあるので。お客様に見てもらって触っていただく事、価格の面でも古着の良さは伝わると思います。また着ると分かる服、着ると良さを発揮する服、全くダメな服って結構あるんです。気になった服は是非着てみて下さいね。

- なぜ"古着"というお店を選んだのでしょうか?

古着やファッションを好きになったのは中学三年の頃です。

- オシャレですね。(笑)


いえいえ(汗)当時は単に古着は安いから買える服、という位置づけだったんです。

中学生の時、初めて行ったMAC HOUSEという量販店の洋服屋さんで3枚で1000円のチェックシャツを子供ながらに悩みに悩んで購入しました。初めての買い物、ルンルン気分で買った3枚のシャツを5歳上の兄に『センスが無い』と馬鹿にされ、凄くショックで…。その時、兄から言われた言葉が今でも残っていて、オシャレになろうって思ったんですね。

初めて買ったレコードがその人に大きな影響を与えるのと同じように、自分にとっては初めて買った服で兄からの一言がとっても大きな衝撃だったんです。でもそんな大きな切欠をくれた兄は、今となっては全くファッションに興味がなくなってしまったんですけどね(笑)


僕の周りには古着を着ている人が全く居なくて、古着について知る事が雑誌でしかできなかったので、まず古着屋に行ったんです。
その古着屋の店長やスタッフが格好良くて、貯めたお金で古着のTシャツやスニーカー等を色々買ってました。

その後、高校に入ってからも古着屋にはよく行っていました。
新品やハイブランド、裏原系の洋服も買ってたのですが、ふと後で振り返ってみるとなぜか着なくなる服が多かったんです。当時はスゴく好きで新品の頑張って貯めて買った洋服が、しばらく経つと全く着ないようになっていました。
新品の服って一年経った去年物がハヤリじゃなく着れなくなちゃうんですよね。
新品の服だったり色んなジャンルの服に興味を持って着てましたが、最終的にまた長く着れる古着を着るようになったんです。

高校生の時に買ったチャンピオンのフットボールT、今でも大事に着てます(笑)



- 実際にお店をされるまでにはどのような経緯があったのでしょうか?


中学、高校と進学し、大学進学も目指してました。古着は中学・高校で好きになったのですが、実家が美容室ということもあって、高校と同時に美容師の専門学校へ行かせて頂きました。高校卒業して鹿児島の有名なサロンで働くことができました。
今でも覚えているのですが、親の跡を継いで美容師になろうとした時も親からは反対されたんです。
『美容の仕事はそんなに甘いものではない。もし美容師になりたいのなら、実家のお店ではなく、自分のお店を持ちなさい』と言われていました。そして自分が持ったお店が美容院じゃないですが古着屋、当時の言われた言葉で自分のお店を持つという事が心の何処かにあったのかもしれませんね。


そして美容師を3年ほどした頃に慢性腰痛と異常な程の手荒れで美容師の道は諦めました。
東京に来た目的は、親友の死がきっかけでした。
小学校から高校まで家族とも仲良くさせてもらってた一番の親友が事故で亡くなってしまったんです。
突然の事で死ぬのにはあまりにも若すぎる、今まで生きてきた中でこれ以上にない悲しみでした。
その親友が東京で見てきた人や風景、そしてもっと他にも見た事の無い…彼の気持ちを背負っていく気持ちで、東京には何かあるんじゃないか、また東京に何があるのかを知りたいと思い上京してきました。

そして下北沢や高円寺の古着屋でアルバイトをして古着屋になろうと決めたのです。

この時も親は『アナタの事を信用しているから、心配していない、大丈夫!』と言ってくれたんです。
とても心強く、嬉しかった事を覚えています。
母親も美容室を開業して30年、本当に凄い人です。自分が見てきた一番の苦労人で尊敬してます。

- 懐の深いお母さんで、BIGMAMAみたいですよね。
そうですね(笑)



- 美容師をやめられてからはどのようなことがあったのでしょうか?


東京に出ようと決めてから、すぐに古着屋VALONをオープンした訳じゃないんです。
鹿児島の百貨店で服飾の販売や量販の古着屋で3年程働いたりしてました。

二十歳の時に日本一周をしながら古着屋を巡ろう。そう思い風景を見たり、町を見たり、人と接したり古着を見たりしていました。
新潟で立ち寄ったお店では『その格好では寒いだろう』と言われてアウターを何枚も貰ったりしました。寝袋一つでずっと野宿だったので、北海道ではテントも貰ったり…
このときに色々な人に出逢い、その人の良さであったり、人の優しさに触れることができた。その事が古着の知識以上に大きかったのではないでしょうか。
バイクで日本一周の旅の出発が、あの9.11の日です。VALONのオープンも9.11…世間的にはこの日は暗く悲しい日です、その日を明るい日にしようと思ってVALON(光の中へ)という意味の名前にしました。



  



- VALONを出店するにあたって参考にしたお店はあるんですか?


実際に参考にしたお店数は少ないのですが、当時鹿児島の天文館という通りでよく行っていたお店でスニーカーやビンテージ、色々なジャンルの古着でクオリティの高い古着屋がありました。その大好きなお店はもう閉店してしまったのですが
その人の意思を受け継いで、古着をもっと広げたいという思いがあります。



- なぜ下北沢に出店されようと思ったのですか


初めて働いた町が下北沢で、CHICAGOというお店だったんです。
CHICAGOで働いていた時の先輩がTARDE☆MARKというお店を西口に開いた時から下北沢を視野に入れるようになったんです。
 それまではお店を出すとしたら高円寺にしか向けてなかったですけど。
吉祥寺、原宿、中目黒、代官山、全てに視野を向けたものの、高円寺は古着のメッカと呼ばれ、古着が多い町だったんで、一番の候補は高円寺でした。
ただ色々町を見ているうちに下北沢は僕にとって人も街も非常に好きな場所、下北沢に興味を持つようになりました。


 



- 実際にお店を出されて、当初から思い描いていたVALONのイメージと現実の間で苦労はあったりしますか?


自分がしたい古着屋のイメージは今も未完成で進行中ですが、でもやってみて感じるのは自分の思っている事とお客様が求めている事が違うということです。
古着はとても奥が深い世界なので、パッと見でカッコイイ商品もあれば玄人並の人にしかわからない商品もあります。

古着はメーカーやデザイン、サイズ、コンディション、そして希少価値で値段がついたりするんです。
新品が安くなってる今の時代ではそれを着て間違いないかもしれません。


僕が今まで昔ながらの古着屋や古い本で見てきた古着は今じゃ受け入れられなかったりします。それは時代の流れなので仕方がないと思うのですが…良い古着を今の古着が好きなお客様に伝えていきたいと思ってます。

古着が好きな人の感覚古着はほとんどが一点もの。それの価値だったり、誰も同じ物を持ってなかったりそういう物って愛着も持ってずっと使うと思うんです。逆に新品は今の流行りの服で、去年のものは着なくなったりするので、どちらが良いかって思うと僕は断然古着ですね。古着ってやっぱり凄くおもしろくて楽しい物だって思います。


-VALONさんといえばアメーバブログでされている内容が面白いとして有名で、アクセスも1日2000アクセスを越えるとの事ですが、何か工夫をされているのでしょうか?


 ネタ探しには工夫していて、常に何かないものかと探していますし、恥ずかしい事も書いているようにしています。(笑)
あとは隠さず、嘘をつかず正直に日常的なことをわかりやすく、伝えるようにしています。
是非ブログを見て下さい(笑)




  

- 9月4日(土)、5日(日)に開催される第二回下北沢映画祭に関連した質問で、映画をファッション、古着の観点から見る事ってありますか?


映画は一人で観る事は少なく女の子と観たりしますね。たまにしか観ないですけど。
 パーフェクトワールド…キャスパーの格好をして喜んでるカワイイ子供が印象的でした。
ペイフォワード、リトルダンサー、ユージュアルサスペクツ等も好きだったりします。
後は違う視点で映画を観たりもするのですがオーシャンズイレブンの衣装が好きですね。

タイタニック…最初は普通にストーリーを見てました。何回か観たのですが、ビンテージやアンティークの衣装、リング、イヤリングも年代ものを使っていたりするので見方を変えるとそういう所をついつい見てしまいます。
古着や家具、食器等も注意して観ると面白いですね。

  


- さすがですね、それは。私はそんなことはできないです…。(苦笑)
では下北沢映画祭にこんな映画祭になって欲しい、といった期待はありますか?


9月と言うとVALONも1周年記念なので、色々協力をさせて頂きます。
都内だけでなく地方からも人が来てもらえるようなイベントになってくれたら嬉しいですね。



- 下北沢には今後どのようになって欲しいですか?


下北沢という町を一言で表すと日本で楽しめる町だと思っています。
新しく未来的なものもある一方で、今でも昔の情緒があります。古い建物、古くからいる人が伝えられる何かを伝えていけるような下北沢であって欲しいと思っています。そして光も影もあって、厳しい江戸っ子のおじさんとかもいて、げんこつをくらう子供もいる。そんな時代じゃなくなりつつある中で下北沢が1つの国のようになっていければと思っています。

 


 



- 最後にインタビューをご覧になっている方にメッセージをお願いします。


気軽に立ち寄って下さい。
子供110番のお店です☆